「おはよ。 くそー、俺の方が早いと思ったのに、なんでお前ら先に到着してんだよー……」

「それがさー、楽しみすぎて3時に目ぇ覚めちゃったんだよね。 暇だったから早く家を出て、5時過ぎには駅に到着してたんだー」

「いやいや さすがに早すぎだろっ。 つーか、それならそうと連絡してこいよっ」


「朝早いから遠慮してたんだよー」

「んなもん気にするタチじゃねぇだろうがっ」



と驚きを隠せずに言うと、隣に居る美麗が眠そうな顔で声をかけてきた。



「ほんっと、興奮しすぎだよねぇ……。 おかげで私も早く起こされちゃったよ」

「……おいおいおい、大丈夫かっ?」

「うん、なんとか平気。 あ、今なら1本早めの電車に乗れるね。 切符買いに行こっ」


「あ、あぁ……」



……元気いっぱいの和真と、明らかに眠そうな美麗。


うん…これは ちょっとヤバいな。

和真はペース配分が出来ずに午前中で力尽きそうだ。

そして美麗は多分、終始ぼんやりしていて 気を抜いた瞬間に強烈な眠気に襲われて力尽きる。


ったく……遠出すんのが楽しみなのはわかるけど、そこは素直に2度寝しとけっつーの。

待ち合わせに遅れたって時間を少し後ろにずらせばいいだけなのに、よりにもよって30分以上も早く来てるって どんだけだよ……。