ここぞとばかりに年上らしく振る舞い、余裕の笑みを見せる。
そんな俺を見つめる和真は 微笑みを浮かべたけれど、やっぱりどこか申し訳なさそうな顔だった。
……ったく。
そんなに深く考えないで、いつもみたいに明るく笑っとけっつーの。
「和真、そんな顔すんなって。 悩みすぎるとハゲるぞ?」
「……大丈夫、うちの家系にハゲは居ないから」
「マジかよ羨ましいな。 ……これ内緒だけど、実は俺ん家ヤバいんだよ。 父方のじいちゃんも母方のじいちゃんもピッカピカでさ、叔父さんもヤベェの。 親父はギリギリ“ある”けど、ハゲの遺伝子 強すぎでヤバくね?」
……って、なんで俺はハゲについて熱弁してるんだ。
ほら見ろ。
和真の奴 ポカンとしちまったじゃねぇか。
「あー……わりぃ、ちょっと熱くなりすぎた」
「……ハゲた…円くん……プッ……」
「おいコラっ、想像してんじゃねーよっ」
「あははっ、ごめんごめんっ。 それにしても…ふふふっ……」
「……この野郎……」
「いや、ほんと…ふふっ……ごめんね、円くん。 でも…うん、元気出たよ。 ありがとう。 ……ふふふっ」
……なんかスッゲームカつく。
まぁ…ヘコんだ顔をされるよりは いいか。



