深く息を吐いたあと、コクンと頷く。
「……美麗って顔じゃねぇだろって言ったし、名字も似合わないなって言っちまったんだ」
「あはは、ガッツリやらかしたねぇ。 だけど姉ちゃんも名前のこと言い返したんでしょ? じゃあお互い様だし、気にしなくていいんじゃない?」
「そりゃあ、そうかもしれないけどさぁ……」
「お互いに謝ったし、ちゃんと許し合った。 そんでもって今は、二人で笑って過ごすくらいに仲良しじゃん。 だったら大丈夫だよ」
「……うん……」
……だよな。
大丈夫…って思って過ごすしかないよな……。
あぁでも…不安だ……。
俺の前で楽しそうに笑ってたけど、本当は無理してた?
俺に合わせて…無理して笑ってたのかな……。
……いやいや、普通に楽しそうだった…はず。
お互いに心の底から笑い合っていたと思う。
大丈夫…絶対にそうだ。 そうに決まってる。
そうじゃなきゃ…困るよ。
だって無理して笑ったって……ツラくなるだけだろ……。
「円くん」
和真が、自分の携帯を俺に差し出した。
それを…半ば無理矢理に持たせられる。
「姉ちゃんに電話かけたから、直接聞いてみなよ」
「……えっ!?」
「コンビニには俺が行っとくから。 じゃあよろしくっ」
「お、おいっ……!!」



