──……その後、彼女たちが私に突っかかってくることはなく、他の生徒にも マルやトラくんとの関係を聞かれることはなかった。
平凡女子の、平凡な日常。
のんびりまったりと過ごせることに幸せを感じながら、あっという間に放課後の時間を迎えた。
「んー……やっと放課後だぁー……」
今、教室に残ってるのは私一人だけだ。
本当ならすぐにでも帰宅してベッドでゴロゴロしたいところだけど、我先にと昇降口に向かう大勢の生徒たちの波には飲まれたくない。
ということで、時間をずらして昇降口に向かうことにしていた。
窓際に移動して少しだけ窓を開ける。
ひらひらとカーテンが揺れる中で、私は「マル」のページを見つめていた。
「……やっぱり、好きだなぁ」
名前も知らない草の写真。
真っ白い雲が浮かんだ青空の写真。
それと……場所はわからないけど、校舎内のどこか…人の居ない階段を撮った写真がアップされていた。
時間を見ると、階段の写真はつい3分ほど前にアップされたばかりらしい。
……もしかしてマルは今、校舎内のどこかで写真を……?



