学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です



……よかった。

なんとか無事に終わったみたい。



「……和真、ありがと。 ほんっとに助かったよ……」

『円くんとトラくんには俺からメールしとくね。 ある程度 話は合わせておいた方がいいだろうから。 盗撮の件は、彼女たちの名誉のために黙っておくよ』

「うん。 それにしても……あの子たちが同じ電車に乗ってたなんて、よく気づいたねぇ……」


『うん、さすが俺っ』

「はいはい、さすが和真だよ」



そんなことを言いながら、お互いに笑い合う。

と、ちょうどその時に予鈴が鳴った。

ほとんど同時に、和真の方からもチャイムの音がした。



『……っと、じゃあそろそろ切るよ。 なんかあったらまた連絡ちょうだい』

「うん、テレビ電話以外で連絡するね」

『あははっ、りょーかい。 じゃあねー』



ニコニコと手を振る和真に 私も手を振り、そのあとすぐに通話を終えた。

携帯をスカートのポケットにしまい、グーッと体を伸ばす。



「……ハァ。 朝からドッと疲れたけど、頑張ろう」



これ以上 面倒なことは起きませんように。

と、そう願いながら、私もまたトイレをあとにした。