『円くんとトラくんがこれを知ったら、どういう気持ちになるか想像しましたか? ……お姉さんたちが同じように隠し撮りをされたら、どう思いますか?』
「……ごめん…なさい……。 写真は、すぐに消すから……」
『ありがとうございます。 もう2度としないでくださいね?』
「……うん……本当に、ごめんなさい……」
3人はしょんぼりとした顔でうつむいた。
まさに、意気消沈という言葉がピッタリだ。
ていうか……和真って、昨日 砂浜で私とマルを隠し撮りしてたよね?
それなのに、よくもまぁ…彼女たちに偉そうなことが言えるなぁ……。
なーんて思いながらも、口は開かない。
ここで余計なことを言うと、更に面倒になりそうだからね。
「……早乙女さんも、ごめん……」
真ん中の子が私に携帯を返すのとほとんど同時に、右側の子が自分の携帯を操作する。
どうやら……ちゃんと写真を消してくれるらしい。
「……今から、消すね」
と言いながら、私に画面を見せる。
そして私が見てる目の前で、盗撮画像は完全に消去された。
「……じゃあ私たち、もう行くから。 時間取らせてごめんなさい」
ペコリと頭を下げた3人は、逃げるようにトイレから出ていった。



