とても容姿が整ったミステリアスな雰囲気のシャーロットは、多くの男子生徒が告白をしに来るほどモテる。一日に五回以上告白されたこともあるほどだ。

しかし、シャーロットは先ほどのように成績を訊いては振るということを繰り返している。なぜなら、自分よりも強くない男を異性として見ることができないからだ。

「魔法で私に勝てないなんて、そんなの恋愛対象じゃない。異性を守らないといけないなんて嫌だ」

シャーロットの身長は百七十三センチ。女性にしては高い。この長身を生かして人間界ではモデルをしているほどだ。

しかし、女性であることに変わりはない。男性に守られたいのだ。

夕暮れの廊下、シャーロットはため息をついた。



M学園は全寮制の学校だ。ヨーロッパの各国から魔法使いとしての才能を認められた者たちが集まっている。

そして、広い部屋を三人で共同で使う。。シャーロットが部屋に入ると、「おかえり〜!」「おかえりなさい」という二人の声が重なった。

一人はドーナツを寝転びながら食べ、もう一人は椅子に座って本を読んでいる。

「またシャーロット、告白されたの?」

ドーナツを食べている女子が訪ねてくる。彼女はドロシー。人間と魔法使いのハーフだ。

M学園は、人間界と積極的に活動することを良しとしている。そのため、ドロシーは人間界ではドーナツ屋でバイトをしている。今食べているドーナツは、バイト先で余ったものだ。