はちみつの景色



あの噂…本当だったんだ…


帰る前に夏子に言われた。




「花山ってさ、中学の時から噂あるんだよね」

「どんな?」

「告白した子に言ってるらしいんだけど。



ずっと待ってる大好きな子がいるから、ごめんなさい


って」



「一途…」


「…その子って、もしかしたら…


あ、やっぱなんでもない!じゃああたし部活行くわ!」




あれは私のことだったんだ…


どれだけの気持ちで千景くんが待ってくれていたのか、それを考えるだけで、あたたかい気持ちになった。


「千景くん。たくさん待たせちゃったけど、これからずっと一緒にいようね」

「…ふふ、ありがとうっ」




いつかまた、今日の日を思い出す。

あの日、フェンスごしに出会った日を思い出したみたいに。


甘くて淡い、

はちみつ色の景色。