Campus Love~学内恋愛~

もう午前2時をまわっていたが、二人はまだネオンの明るい繁華街を並んで歩いて、さっきのワインバーの店から目と鼻の先にあるビルに入っていった。



ビルの奥まった入り口には、エレベーターがあって、サラは下へ向かうボタンを押した。



エレベーターのドアが開き、先に乗ったサラに続いてユウキもエレベーターに乗り込んだ。



雑居ビルのエレベーターなので、とても小さくて狭い。



サラと初めての二人っきり。



しかもこんな近くにいる。



エレベーターの中には、ほのかに甘い香水のにおいが漂っている。



奥さんの美希は、においに酔いやすい体質なので、香水はつけない。



そんなユウキには、香水に対する免疫はなく、それは、まるで媚薬のようだった。



エレベーターが地下二階に着いてドアが開いた。



サラは、エレベーターのボタンを押したまま「どうぞ」と言ってくれたが、仕事で海外に行くことの多いユウキは、「レディファースト!」と言って、サラを先に降ろした。



別にサラに対してだけでなく、ユウキは、日頃から「レディファースト」を心がけているので、いつものようにしただけである。



サラは「ありがとおー」と言って、店の中へユウキを連れて行った。