Campus Love～学内恋愛～

環境科学講座は、そもそもが理系の講座なので、文系には冷たい。



文系は、戸辺先生（環境社会学）とユウキ（環境倫理学）の２人だけ。



これに対し、宇野先生（環境物理学）、細川先生（環境生物学）、木崎先生（環境心理カウンセラー）の３人が理系。



戸辺先生は、もうすぐ定年。



戸部先生が抜けると、文系はユウキ１人になってしまう。



派閥はどこにでもあるが、ユウキの将来は不安だ。



ユウキがこの大学に赴任したあとに戸部先生から聞いたことだが、このなかにはユウキの採用に反対した人間もいるらしい。



むしろ、戸辺先生の強引さでユウキが採用されたことが、ユウキにとってはちょっと複雑でもある。



ただ、職場としては、母校だし、他の先生はあまり干渉してこないし、ユウキにとってはとても居心地がいい。



学生もみんな後輩に当たるから、教育にも力が入る。



学内の場所もほとんど熟知しているし、一人で困ることもあまりない。