「うん、たしかに最初はびっくりしたよ。もしかしてリカは生きてるんじゃないかって」。



「びっくりさせてゴメン。前は、二人とも別々のケータイを持ってたんだけど、いつかお父さんから連絡が来たときのために、お母さんの番号とメアドを私が引き継いだの」。



「そうなんだ」。



「それで、今、こっちのお母さんのケータイは使えないんだけど、お母さんによると、18年間の思い出が全部この中に詰まっているから、お父さんに渡してほしいって」。



「わかった、ありがとう。受け取るよ」。



そう言って、ユウキはリカのケータイをスーツのポケットに入れた。