Campus Love~学内恋愛~

では、あのユウキとの研究室でのやり取りも芝居だったのか?



しかし、芝居にしては、出来すぎている。



にわか仕込みで、あんな専門的な話ができるはずはない。



彼女は、過去にどこかで哲学や倫理学の素養を身につけている。



彼女は、スパイか?



考えれば考えるほど、彼女の謎は深まるばかり。



「正体不明」。



今は、そのヒトコトに尽きる。



さて、その後、ユウキは、彼女の連絡先の照会に関して、事務には自分の勘違いということで、テキトーにごまかしておいた。



今から事を大きくしても、仕方がない。



とくに事件性がなければ、このまま放っておいても大丈夫だろう。



ひょっとしたら、また彼女の方からコンタクトがあるかもしれない。



ユウキは、ひとまずそう考えて、彼女の消息をできるだけ自分で調べてみることにした。