Campus Love～学内恋愛～

ユウキは、倉科がいなくなったことと、彼女がウソをついていたということに、Ｗショックだった。



あの子は、一体何者だったんだ？



なぜウソをついてまで、この大学に潜り込んだんだ？



たしかに大学のキャンパスは広いし、とくに１００人以上の大授業となれば、大学と無関係な人が授業を受けていてもわからない。



ヨーロッパの大学なら、むしろよくあることだ。



毎日学生の身分を確認する人もいなければ、そんなシステムもない。



そもそも大学とは、そんないい加減、いや、自由なところだ。



ユウキは、すぐに、あの大講義室での授業の出席管理をしていた大学院生に連絡を取り、前期の出席カードの中に「倉科実結」という名前のカードがあるか調べさせた。



もちろん、回答は「なし」だ。



わざと出席カードを出さなければ、あとで受講者名簿と照らしあわされる可能性もない。



彼女の方が一枚上手だった。