Campus Love~学内恋愛~

ユウキが日曜日に出張から戻ると、月曜日、火曜日と、いつもの日々が過ぎていった。



そして、ミヒロと約束した水曜日がやってきた。



ユウキは、その日、夕方まで栗原先生の公開講座の手伝いで、経営学部にいた。



ミヒロとの約束の時間は、夜の7時なので、6時半に大学を出て、駅前の予約したお店に向かえば、十分間に合う。



ただ、自分の格好が仕事用だから、一度、自分の研究室に戻って、着替えてから約束の場所に行こうと思っていた。



仕事柄かリカがデートのときにはきちんとおしゃれをしていた影響で、ユウキもデートのときには、相手に対する礼儀でちゃんとおしゃれをするように心がけている。



夕方6時ごろ、ユウキは経営学部を出て、自分の研究室のある人間科学部の方へ歩いていると、途中にある中央図書館の方に向かって、見覚えのある女の子がずいぶん前の方を歩いている。



「ミヒロだ!」。



ミヒロは前日のメールで自宅から直接約束のお店に行くようなことを書いていたから、ユウキも「まさか」とは思ったが、なぜか直感的にミヒロだと確信した。



実習中、ミヒロは、Tシャツ・短パンかジャージだったので、ユウキは、ミヒロが普段大学にいるときの服装を見たことがない。



にもかかわらず、ユウキは、その後姿だけでミヒロだとわかった。