大学教員、水崎悠樹(ユウキ)は、12年ぶりに母校に戻って来た。



12年前に、この大学を卒業したときも、ちょうど桜が咲き始めた頃だった。



奥さんの美希と手をつないで歩いた、このキャンパスロード。



正直、思った以上に昔と変わってない。



ただ変わっているのは、僕が学生から教員になっていることと、ちょっと桜の幹が太くなっていることかな?



この大学は15年前に、都市部からこの郊外へと移転したから、桜もちょうど15歳。



建物は少し古くなっているけど、ユウキが前に勤めていた大学なんかよりは、ずっと新しい。



まさに、心機一転、今日から教育に研究にがんばるぞ!!