Campus Love~学内恋愛~

ずるいけど、ユウキはそれ以上言えなかった。



妻子ある身で、リカと正面から向き合うことは、ひょっとしたらできないかもしれない。



不安はいくらでもある。



ユウキは、ひざの上に倒れてきたリカの髪の毛を撫でながら、タクシーの走っていく先をずっと見つめていた。



20分ほどで、タクシーは、汐留のホテルに着いた。



ユウキの泊まるホテルのある、この周辺は、「イタリア街」と言って、イタリアの町並みを意識した建物がたくさん並んでいて、昼間、広場には、イタリアの郷土品の出店なんかもいくつか出ている。



ユウキが、タクシーの運賃を支払っていると、リカは、目を覚まして、ユウキのひざから起き上がり、眠い目をこすりながら、再びユウキの腕にすがりついた。



「あっ、ユウキ、ありがと。ユウキのひざの上、気持ちよくて寝ちゃった」。



二人は、タクシーを降りて、ホテルの中へ入った。