次の日、祥太君はお父さんと向き合って、気持ちを伝えた。

祥太君が、私に全部話してくれたの。

お父さんの答えは、まだまだ厳しいものだったって。

だけど、祥太君の気持ち、ピアノへの情熱を否定はしなかったらしい。

前は、ピアノを止めろって言われてたらしいから、すごい進歩だよね。

これからも、ずっと話し合って、いつか必ずわかってもらうからって、祥太君嬉しそうだったんだ。

電話の声が弾んでた。

絶対に、お父様は認めてくれるよ…

あんな素敵なピアニスト、他にいない。

祥太君は、唯一無二の存在なんだから。

会社のあとを継ぐ人も…やっぱりちゃんと見つかって欲しい、それも私の願いだ。

祥太君のお父さんの気持ちも…わかるから。

私に告白してくれた祥太君…

あなたが幸せなら、私、それだけで嬉しいよ。

こんな私を好きだって言ってくれて、本当に…ありがとう。

自分の気持ちは、やっぱりまだ整理出来ていないけど、とにかく今は毎日を精一杯、一生懸命生きようと、そう思った。