『…嫌だ、結菜と別れるなんて…嫌だよ…俺、こんなに結菜のこと』

『お願い、川崎君、それ以上は言わないで』

『結菜!あんまり俺を怒らせない方がいいぞ!』

川崎君が、私のセリフに被せるように、急に怒鳴るように言った。

背筋がぞぉっとした。

『川崎君…どうしちゃったの?』

『…結菜がその気なら、俺にも考えがある』

そう言って、川崎君は電話を切った。

どうしよう…

一体、どうするつもり?

怖い…

でも、自業自得だよね…

川崎君は独身でも、私にとったら不倫になる。

それを承知で…

私は、川崎君と寝たんだから。

度重なる旦那の浮気の仕返しだとしても、やっぱり許されないことだったんだよね。

今頃、後悔しても遅い…

川崎君にも…悪いことしちゃった…

巻き込んだのは私。

あの頃、私、完全に自分を見失ってたから。

でも、川崎君と、どう決着つけたらいいんだろう…

誰にも言えない、相談なんて出来ないよ、こんなこと…