お客様達は、そのピアノに聞き惚れているようだ…

祥太君は、優しく繊細なゆったりとしたメロディの曲を選んで、弾いてくれている。

情熱的な熱いバラードなんか弾かれたら、食事どころじゃなくなるもんね。

かっこよすぎるピアニストに、若い女性も、お母さん達も…ウットリしている。

ちゃんと、食事も楽しんで頂けているみたいで良かった。

最後のデザートまで、誰一人残さずに召し上がってくれた。

『お腹一杯美味しく頂きました、ありがとう』

『素晴らしいピアノと食事、大満足です』

『英会話も似顔絵も最高のサービスで、幸せな時間をありがとうございます』

今日は、たくさんの褒め言葉を頂けた。

クレームや失敗は無かったこと…本当にホッとしてる。

パパの大事な別荘を、ペンションにして…

本当に本当に良かった。

私の夢が叶った瞬間だった。

ちょっと泣きそう。

お母さんも、3人も…

生き生きしてる。

私の夢が、いつしかみんなの夢にもなっていたんだ…

みんなで掴んだ幸せ…

私には仲間がいて、みんなに守られてる。

それが、こんなにも幸せなことだなんて。

1年前には、想像もしていなかったのに…