『昌子さんとデートみたいですね』

祥太君の言葉に、お母さんは、頬を赤らめた。

『まあ、祥太君ったら。ほんと、若い頃を思い出すわ。これでも、若い頃は、何人もの男性とデートしたのよ』

お母さんの言葉が、何だか私の胸に染みた…

私の若い頃って…

本当に…

我慢我慢の連続だったな。

あの人と出会う前だって、そんなウキウキするようなことも無かった。

大好きなパパやお兄さんといることは、大好きだったけど、みんなやっぱり仕事が忙しくて…

ママは…

本当に早くに病気で亡くなってしまって、すごく寂しかったから…

ママがいてくれたら、私の人生はまた違う物になっていたかも知れない。

でも、それを嘆いても仕方ないし、そんなことを天国のママが聞いたら…絶対、悲しむよね。

最近、自分の人生をゆっくり考える時間と、そして…

そんな心の余裕が無かった。