けれども、関係を続けるほどに褪せていく当初の凌一への想い。

だけれども、

褪せていっている中にも、唯一の刺激と潤いを求め、感じてしまう自分。

その他の特別な感情なんて凌一は最初から、私だってもうないのに、どちらかが終止符をうたない限り続いていきそうな関係―…

本当にこのままでいいのかな?

そうは思っても、ただ思うだけの現状。

枯れた日常の中で、水を得る一瞬の時間を自分からは手放せない。


「あ……んっ……」

「いい……藤子……?」

「あっ……」


恋人ではない男の腕の中で、色んな感情を浮かべながら喘ぎ果てる。


その夜は、

凌一と抱き合いながら感じるモヤモヤが何時も以上に頭を占めていて、事が終わると自然と深い溜め息が出た。

そして、そんな私は、この部屋の隣りに何かと突っかかってくる高輪マネージャーがいることなんて、

うっかりすっかり忘れてしまっていた―…