「ャ……ッ」 大声ではなく、微かに私の口から漏れた声。 瞬時に感じた身の危険。 何っ? 痴漢?変質者―…!? 何で、こんな時ってちゃんと声が出てくれないの……っ!? そう思って軽くパニックになっていると、 「藤ー子」 「……」 耳に入ってきた、聞きなれた男の声。 え…… まさか、この声って―… おそるおそる振り向くと、 「良かった。グッドタイミングー」 ヒラヒラと手を振って、立っていたのは、 「りょ、凌一……っ」 痴漢でも変質者でもなくて、凌一だった。