名前は上島さん。
“……はい”しか、しゃべってくれないものだから、あまり彼の事を知らない。
いったい彼は何が楽しくて、わざわざお金を払って、私を指名してくれているのだろうか……
なんて、たまに接客をしながら思ってしまう。
悲しいほどに出会いがなさすぎるから、
この際、副業の場で良い殿方を~…そうだなぁ、例えば利益を確実に出してるIT関連の若社長とか~、あ、大企業のジュニアとかでもいいなぁ~
なんて、
考えた時期も正直あったけど、もうそんな期待は微塵もない。
そして、
何時もと同じように上島さんにはひたすら一方的に話をふり、
犬好会長の席では本気か冗談かよくわからないラブコールを受け、
二人がチェックした後は、他の席にヘルプで入ったりと、
副業でも大きな変化もない時間を過ごす。

