「会長、ちょっと失礼しますね」
と、席を立ち、
さて、珍しく指名続きだけれども、お次はどこのテーブルのおじさまかしら……
そんな事を思いながら、指名された席に向かうと、
そこの席に居たのは、
私を指名してくれるお客さまの中で、(凌一を除いて)一番若いと思われる、二十代半ばの男性。
私が言うのも失礼だけど、見た目はフツー。
ただ、ちょっと暗めの雰囲気で、
「わー、お久しぶりです~お元気でしたかぁ?」
と、尋ねても、
「……はい」
「お仕事の帰りですか~?」
と、尋ねても、
「……はい」
「今日はもう夕食すまされました~?」
と、尋ねても、
「……はい」
と、基本、
“……はい”
しか、しゃべってくれないお客さま。

