「ジュリちゃんの顔見てると、本当に癒されるんだよね~」

「あ、ありがとうございます~…」

「やっと離婚も出来たことだし、あとはジュリちゃんが嫁に来てくれるだけだね~」

「またまたぁ~…」


と、

そんな会話をしながら、値段の張るブランデーやら、シャンパンやらを飲んでいく。

どうやら私は若い世代の男性よりも会長世代の男性に好かれる性質であるということを、

この副業を通して気付いた。

指名を入れてくれるお客さまの殆どは恋愛対象にするには難しい、年の離れたおじさま達……

まぁ、

今夜も若い男性客の指名なんてないだろうな、その年代のお客の席に着くときはどうせヘルプだ。

そんな事を思って、犬好会長の席でシャンパンを飲んでいると、


「失礼致します」


スッ、とボーイが横に来て、


「ジュリさん、指名です」


と、耳打ち。