「わかりました。明後日、ハンバーグとサラダですね……」
「米も炊けよ」
「わかってます!」
「あっそ。じゃあ、俺は今から君の作ったカレーでも食べながら一杯やるから、そろそろいいか?」
「言われなくても帰ります!」
「あまり声を荒げるな。近所迷惑だ」
「わかってますっ!」
だけど、ついつい声が張ってしまう。
我慢と決めた側から、限界を超えそうだ。
その位、高輪マネージャーは嫌味な口調。何様って感じ。
でも、確かに、ご近所迷惑だし、何より上半身裸の男と何時までも玄関先立ち話なんてしたくない。
そう思って、
「では、失礼します……」
若干、怒りに震えた声で言い、
バタン、
ドアノブを持つ手にどうしてもこもってしまう力を感じながら、高輪マネージャーの部屋のドアを閉めた。
一日も早く、
あの高輪マネージャーの“からかい相手”としての対象から外れることを願って。