それから、
「おいで、」
と、高輪マネージャーは手招きつきで私を呼んだ。
もう、緊張は半端ない。
そうストレートに呼ばれると、逆に素直に従いにくくなってしまう。
呼ばれても尚、まだソファーに座ったままの私を、
「どうしたの?」
「う……っ……」
「おいで、おいで」
と、ニコッと笑いながら呼ぶ高輪マネージャー。
まるで飼い主がペットを呼んでるみたいで、ちょっと複雑な気持ちになりながらも、この高輪マネージャーの表情、出会ったばかりの頃と大違い、と思う。
気持ちが通じ合った、あの日以来、気付いた事がある。
会議室での宣言通り、職場では口調とか態度とか、上司モードなんだけど、
少しでも二人きりになると、出会った当初の俺様で嫌味な印象が嘘みたいに、高輪マネージャーの甘い表情が出てくる。
ある意味、二重人格……?っていう印象はそのまま。

