「高輪さん、お久しぶり。今日は急に予約時間を変更してごめんなさいね。私の海外行きの時間が急遽、早まってしまって」
「いえ、とんでもございません」
「先日、こちらで頂いたフレンチが美味しかったと主人に聞きまして、さっそく予約して貰いましたの。ラウンジからの眺めも素敵だとか」
「ありがとうございます。本日のお席なのですが―…誠に勝手ながらラウンジとは別の部屋をご用意させて頂きました」
「あら、ラウンジではないの?」
「はい。ラウンジの隣りの部屋になるのですが、特別にお二人の貸切とさせて頂いています。早速、ご案内させて頂きます」
会長と夫人を最上階まで上がるエレベーターの方向へと高輪マネージャーが案内する。
それから、私の方を見て―…
〝瀬名さんはもう戻っていいよ”
というアイコンタクト。

