基本、私の問いかけに、“……はい”としか返事をしてくれないお客さまで、見るからに大人しそうな男性―…
「上島さん―…どうして?」
“どうして?”
その言葉しか出てこない。
私を襲った変質者が例え副業のお客様であっても、顔見知りだなんて、やっぱりショックだ……
夜のお店の様な職種は、こういった事態が起こってしまう事は多々ある。
それは、お店のコ達からも聞いていたり、知っていたことだけど、
まさか、私を指名してくれていたお客様が―…
なんて、考えもしなかった。
ショックを隠しきれない表情で上島さんを見てしまう。
「瀬名―…」
そんな私を高輪マネージャーが心配そうな顔つきで見ているのがわかる。
すると、
「ご、ごめんなさい……っ!」
胸ぐらを掴む、高輪マネージャーの手の力が緩んだのか、上島さんは振り絞るような声で叫んだ。

