「もう睡魔ですかぁ?まだ朝まで長~いですよ~」


気付けば、美山ちゃんがコピー用紙を丸めて、メガホンみたいにして私に声をかけていた。


「睡魔ってわけでは……」


ないんだけど……

まさか高輪マネージャーの事を考えて、ついボーっとしていました、なんて言える筈もなく、


「睡眠……足りなかったかも」


なんて、やっぱり言ってみちゃう私。


「暇ですねぇ」

「だね」

「夜間マネージャーに早めの休憩交渉しますか?」

「いや……それはそれで後半がきつい……」

「ですねぇ」

「だね」


フロントで二人、何だかやる気のない会話。

いけないと思いつつも、暇な日に美山ちゃんと並んでしまうと、ついつい私語をしてしまう。