控え室に入ると直ぐに、ヘアメイクさんに手伝ってもらってドレスを脱ぐ。
制服を着て、業務用のヘアにセットもしなおすと、また直ぐに控え室を出た。
気持ちが上がってこない……
けど、今からは業務に集中しなきゃ。
こんな時に限って凡ミスをしてしまいそうだもの。
気持ち、切り替えなきゃ……
そう自分に言い聞かせながら、従業員専用通路から表へと出る。
フロントに着くまでには仕事モードに完全に切り替えなきゃ……!
と、そう思った瞬間、
「きゃ……っ」
どんっと、何かにぶつかって、それと同時にバサッと床に何かが散らばった。
「―…っ!」
やってしまった……!
瞬時にそう思ってしまう。
だって、ぶつかってしまったのは紛れも無く“人間”で、床に散らばったのはウェディングフェアのパンフレット。
今日のフェアに参加しているお客様に違いない。

