「わかって……ます」
目線を合わせないまま、小さく答える。
「―…失礼します」
そう伝えると、足早に高輪マネージャーの前から去った私。
胸が甘酸っぱく高鳴る一方で、気分が沈んでいく。
本当に変な気持ち。
控え室に向かいながら、とにかくドレスを早く脱いでしまいたいと思う。
似合ってない。
ドレスに申し訳ない……
そんな気持ち。
確かに、模擬挙式だもの……私は、ただウェディングドレスを着た即席モデルで―…
本物の花嫁の美しさになんて敵うはず無い。
だけど、
それだけじゃない。
今の私が、本当にこのドレスを纏う存在から遠すぎて遠すぎて、
自分の情けなさが身にしみてくる。

