「す……みません、何だか色々……」

「別に。同じ職場で部屋も隣りなんだし、この位は」

「―…」


“同じ職場で部屋も隣りなんだし”

何だろう。

その言葉がちょっとチクッとくる……

だけど―…


「―…じゃあ、部屋に戻ります」

「ああ、おやすみ」


そんな言葉を交わしたものの、部屋に入らない私。

と、私の部屋のドア前に立ったままの高輪マネージャー。


「隣りに……帰らないんですか?」


そう訊ねてみると、


「君が部屋に入ったのを見届けてから、戻るとするよ」


一応ね、

そう、やっぱり優しい表情で答えた高輪マネージャーに、

今度はトクンと胸の中で振動した、普段とは違う鼓動を感じてしまう。