ゆっくり、高輪マネージャーの手が私の頬から離れる。
そして、道の端へと足を進めた高輪マネージャーは、しゃがみ込み、何かを拾う動作をした。
それからまた、私の前に立ち、
「これ」
と、差し出されたのは携帯電話。
「あ、ありがとうございます……」
「壊れたりしてない?」
「あ、ハイ……多分、大丈夫です……」
操作が出来る事だけ確認して、私は携帯電話を鞄にしまう。
「他に落としたものはない?」
「はい……」
「何かとられたりもしてない?」
「ない、です……」
高輪マネージャーの問いかけにポツリポツリと答えていく。
「とりあえず、部屋まで一緒に帰ろう」
そう言って、高輪マネージャーは歩き出した。
ゆっくりと、私の歩幅に合わせて。

