けれども、
「―…っ」
立ち上がった高輪マネージャーのデニム生地を私はとっさに掴んでしまう―…
追いかけようと走り出す体制になっていた高輪マネージャーの動きが止まる。
「ま……って……下さ……っ」
やっとの思いで、私は言葉を口からこぼす。
そんな私に、
「直ぐに戻るから待ってろ」
と言い、高輪マネージャーが再び、黒づくめの男を追おうとする。
ぎゅうっと、デニム生地を掴む手に力を込める私。
「おい、見失う―…」
一先ず、離せ、
と、言う様な高輪マネージャーだけれども、それでも私はぎゅうっと握り続ける。
例え、少しの間でも、この暗い道の上に置いていかれるのが怖くて―…

