そんな事を思いながら、再び、
「失礼しました」
そう言って、医務室を去ろうとする。
すると、ドアを開けようとしたところで、
「瀬名さん」
と、名前を呼ばれる。それから、
「夜番、頑張ってね」
「……」
私の背中に珍しく、優しい言葉をかけてくれる高輪マネージャー。
そのまま出て行こうと思っていたけど、思わず、振り向いて高輪マネージャーを見てしまう。
と、また、ニッコリ微笑む高輪マネージャーがいて―…
「あと、これ」
そう言って近付いて来たかと思うと、
「はい」
と、私の手のひらにミント味のフリスクを置き、ぎゅっと握らせる。