俺がコーヒーを飲みながら落ち込んでいると、



バンッ



と、従業員用の扉が開いた。


そこを見てみると、北野だった。



「北野?今日は来ないって今店長が…、」



俺は言い終わる前に、

北野に腕を捕まれ、

従業員用の扉に引き込まれた。


入ったはいいが、

北野は俯いていて、何も話さない。



「…北野?」



北野は暫く俯いていたが、

パッと顔を上げこちらを見た。



「佐多さん、

その、

俺は恋愛対象に入りますか?」



北野はちょっと泣きそうな顔で言う。


急な質問だな。


でも、

俺もそろそろ言うタイミングかな。



「北野、

俺は男は好きじゃない。


…けどお前は、

北野は好きだ。


…俺と、

付き合ってください。」



俺は北野の目を見て言う。


すると、

北野はめをまん丸にして驚き、

その後は顔がはみるみるうちに赤くなっていく。



「…北野、

返事を聞かせてくれ。」



「ぼ、僕、

…僕も言わなくちゃいけないことがあるんだ!」



「なに?」





「…私、本当は女です!」



北野はそう言いながら髪の毛を、

ウィッグであろう物を勢いよく取った。