初恋は水中の彼



「水の中のお魚さんて気持ちよさそうに泳ぐね~」


何……この純粋な子供みたいな感想……

それにフリフリのミニスカートに上は谷間くっきりのタンクトップの上に薄いブルーのシャツ、肩までの髪をツインテールにし
かわいい中に胸の谷間の色っぽさ……俺、男として我慢できるかな?


「あたし暫くプールしか泳いだことなくて、海にも来年は行ってみたいなー」

杏奈が競泳用以外の水着を着るところなんて考えもしなかったけどそうか、海にいけばビキニとか……
ビキニ……
譲は自分の妄想に頭をふった

「海は来年行こうな、もうクラゲとかいるだろうし」

「うん、来年楽しみにしとくね」



「おい、譲」

「あっ部長」

杏奈も挨拶する

「部長は?」

部長同士だからややこしい

「あそこ」

指を指した方向には女子部長がガラスにへばりついていた

「必ずあれは必要なんだよ、デートの度に水族館には一度来る、よくあきないなーと思うけど、まあ最初にここへ連れてくれば後はご機嫌で俺の好きなとこいけるしな(笑)」

「部長の好きなところってどこですか~?」

「杏奈、そこは追及しないであげて(笑)」

「??」

杏奈は女子部長のところへ駆け寄る

「お前らくっついたか?」

「はい」

「まあ、昨日の疲れを残さない程度に遊べよ」

「部長の遊び方を教えてもらいたいもんですねー」

「それは、まあ……飯食ってからの休憩タイムだろ」

「俺らは真面目に遊びますから(笑)」

「我慢できるかよ、せっかくの休みをさー、まあ俺らはもうすぐ引退だから、頑張れよ、期待の星」

「はい、杏奈、行くぞ」

「はーい」

二人は部長二人に頭を下げて水族館の続きを回った



次の日

「譲、昨日杏奈ちゃんと水族館デートしてたんだって?」

「部長から聞いた?部長には会ったよ」

「いや、足立先輩」

「足立先輩には会ってないな、見かけたのかな?」

「杏奈ちゃんと付き合うのか?」

「ああ」

「やっとかー、よかったな、お似合いだよ」

「まあ、サンキュー」



女子ロッカー

「律ちゃん聞いて!昨日水族館いったの、お魚たくさんいたよ」

「よかったね、楽しかった?」

「うん、部長達にも会ったよ、あとイルカショーもよかったよ、律ちゃんは彼氏と会った?」

「あー、会ったけど、ケンカした」

「えっ、何で?」

「まあ些細なことよ」

「それなら謝らないと」

「中々謝れなくてねー(笑)」

「何か怒らせたの?聞くよ、律ちゃんにはいつも相談のってくれるから」

「うーん、ありがと、でもまだ杏奈には無理かな~お子様だし」

「??」

「まあ、大丈夫よ、向こうから謝ってくるから、心配しないで」

「うん」


部活帰り

「昨日足立先輩も水族館いたらしい、俺らがいたこと話してたみたいで、部員に俺らがつきあってるのバレた」

「うん」

「どうした?バレるの嫌だった?」