初恋は水中の彼



「あっ、ううん、あのね律ちゃんが彼とケンカしたみたいで理由を聞いたらあたしにはお子様だから言えないって、どうしてだろ?」

「それはまあ、まだ杏奈が知らないことだからじゃないかな?」

「いつも律ちゃんにはお世話になってるのに力になってあげたいのに……」

「すぐ、仲直りするよ、きっと」

「譲は何でわかるの?」

「さあ、なんとなく……かな」

「あたし子供じゃないのになー」

ほっぺたを膨らます

「子供じゃないのはわかるけど大人じゃないからだよ」

「えーどういうこと?」

「次会ったら仲直りしてるよ、大丈夫」




譲と杏奈達は二年になる

「律ちゃんあたし、先輩になるんだね、どうしよう、こんな頼りない先輩で……一年生のほうがしっかりしてるかも」

「杏奈の場合そうかもしれないけどそういう先輩も必要なのよ、杏奈は可愛がってあげればいいの」

「わかった~」

新歓コンパが行われた
今年は女子には五名の一年生が入ってきた

「えっ、律ちゃん飲んでる?」

「私、4月産まれでもう二十歳きたもん」

「えー、お姉ちゃんだー」

「杏奈は2月産まれだからな、まだまだ子供」

「譲、もうまた子供って言う~、先輩になったの」

譲は律子にビールを注ぐ

「あんたいつまで子供でいさす気なのよー、何も話聞かないけど」

「いや〜、中々機会がなくて……」

「中学生か!」

「キスくらいはしてるんでしょうね」

「……おでことかほっぺたとか?」

「えー半年以上たつよね、あんた初めてじゃないでしょ、何やってんの」

「おでことかで嬉しそうに笑ってくれるから汚しちゃいけないような気がして……純粋すぎて手がだせねえ(笑)」

「まあ杏奈だもんねー」

「だろ?」

「譲先輩、またよろしくお願いします」

「ああ、よろしく」

「今の玲花ちゃんだっけ?」


杏奈が席に戻ってくる

「高校の後輩、結構早いよ、国体も少年の部で出た」

「種目は?」

「平泳ぎ」

「あたしと一緒だ」

「そうだな杏奈のタイムより早いよ」

玲花が話しかけてくる

「杏奈先輩も平泳ぎなんですか?」

「うん、よろしくね」

「はい」

「杏奈、明日10時に泳ぎにいく、二時間泳いで飯食いに行こう」

「はーい」

譲はビールを持って先輩達のところへいく

「先輩とどっかで泳ぐんですか?玲花も行きたいです」

「ごめんね、会員じゃないと駄目なところなの」

「なんだー残念」

「杏奈とつきあってるからね」

律子は玲花に言った

「そうなんですか?」

「うん」

「へぇ、元カノさんが美人だったからちょっと意外でした」

「うん、美人だね、同じ大学だから会ったことあるよ」