「行ってきます」
誰もいない部屋に向かってそんな挨拶を投げかけるのももう慣れてきた。
季節外れの転校生。最初のうちはクラスメイトから興味を持たれていたがそれにも飽き一人孤立していた。でもそんな学校に行くのも今は憂鬱ではない。理解してくれる友達がいて…そして好きだと思える人がいる。それだけで十分だった。