「やっぱキスはしたんだ?」
ニコッと笑う水川はまるで子供のようにあどけない。
「してっ…ません!全然してません!!」
「嘘だぁ、顔真っ赤だよ?」
「えっうそ!?」
「ははっ、わっかりやすいねぇ、一花ちゃんて」
キラリと水川の耳につけられたピンクのピアスが光る。
水川はなんだか機嫌が良さそうだ。といってもこの人はいつもこんな感じなんだろうな。
「玲に聞いたよ。女アレルギー克服に協力することになったんだって?」
「あー…はい。まぁ」
天王子は水川には話しているらしい。
水川はどこまで知っているんだろう。
やっぱり女アレルギーのことは知っているんだ。
あの偽りのキス写真のせいで私が脅されていることは、知らないのだろうか?
「あいつ大変でしょ。みんなの前の態度とは全然違くて」
「あ、はい。それはもう」
真顔で頷くと、何がおかしいのかプッと水川が噴き出した。
そういえば天王子は、水川の前では素で話している。
もしかして…
「あなたも何か弱味を握られてるの?」
「は?」
素っ頓狂な声を出す水川。
「あ、違うの?」
「へぇ~、一花ちゃんは玲に弱味握られてんだ?」
「えっ…、」
やばい。なんか墓穴掘った?私。



