愛されプリンス½





「やっぱキスはしたんだ?」



ニコッと笑う水川はまるで子供のようにあどけない。



「してっ…ません!全然してません!!」



「嘘だぁ、顔真っ赤だよ?」



「えっうそ!?」



「ははっ、わっかりやすいねぇ、一花ちゃんて」




キラリと水川の耳につけられたピンクのピアスが光る。


水川はなんだか機嫌が良さそうだ。といってもこの人はいつもこんな感じなんだろうな。



「玲に聞いたよ。女アレルギー克服に協力することになったんだって?」


「あー…はい。まぁ」




天王子は水川には話しているらしい。


水川はどこまで知っているんだろう。

やっぱり女アレルギーのことは知っているんだ。



あの偽りのキス写真のせいで私が脅されていることは、知らないのだろうか?



「あいつ大変でしょ。みんなの前の態度とは全然違くて」


「あ、はい。それはもう」




真顔で頷くと、何がおかしいのかプッと水川が噴き出した。




そういえば天王子は、水川の前では素で話している。

もしかして…





「あなたも何か弱味を握られてるの?」



「は?」




素っ頓狂な声を出す水川。




「あ、違うの?」



「へぇ~、一花ちゃんは玲に弱味握られてんだ?」



「えっ…、」





やばい。なんか墓穴掘った?私。