「つーかいつまで突っ立ってんだよ。早くこっち座れ」
天王子がメロンパンをかじりながらぞんざいな態度で言う。
「さもねーと写真…」
でた!!
「あー分かった分かりました!座ればいいんでしょ!?」
仕方なく天王子の隣に腰をおろした。
満足気にフンと鼻で笑う天王子。
「あ、ていうかお金払うよ、焼きそばパンの。いくら?」
「はぁ?いらねーよそんなの」
「いやそんなわけには」
コイツに貸し作りたくないし!ただでさえこないだ服買ってもらったばっかりなのに。
といっても財布は教室なんだけど…。
「後で返すから。100円くらい?」
「いらねーって」
「いや絶対返すから!」
「…ふーん。だったら」
天王子が、メロンパンを持っていない方の腕をグイッと私の肩にまわした。
近づく顔と顔の距離。
極上に整った顔で、天王子が囁いた。
「キスで返してくれてもいいけど?」
……っはぁぁ!?



