「ちょっと!あんたのそんな屈辱的なモノになった覚えはないんだけど!!」
「あ?俺の言うこと大体聞くし、そうじゃねーの?」
「それはっ!あんたが姑息な脅し文句を使ってくるからで…!」
すぐに写真バラまくぞ、って言うしっ!!
「うるせーなぁ、いいから早くこっち来いよ」
ドカッとコンクリートの上に胡坐をかいて座ると、天王子が自分の隣を顎で指した。
「えっらそうに…!」
「なー開人、俺のパンは?」
私を無視して水川に話しかける天王子。
「あー、ほらよ」
「サンキュ」
パンが何個か入っていると思われるビニール袋を、水川が天王子に渡した。
って、そうだ。今の会話で思い出したけど、私
「お昼ごはん買い忘れた…!」
いつも家からお弁当を持ってこれないときは購買に行くんだけど、今日は呼び出しのことで頭がいっぱいで…!
「買いに行ってくる!」
まだ売れ残りのクッキーくらいならあるかもしれない!
慌てて購買に走り出そうとした私を、天王子が「おい!」と呼び止めた。
「何!今忙し…」
「仕方ねーから恵んでやるよ」
そう言うと同時に、ビュンッと勢いよく飛んできた焼きそばパン。
「ちょっ…っぶないなぁ!」
「ありがたく食え」
天王子が偉そうに笑って、自分は袋の中からメロンパンを出した。



