愛されプリンス½





「え〜何それぇ!」


「せっかく開人とプリンスとご飯食べられると思ったのに…!」



文句を言う女子達に、天王子が申し訳なさそうに眉を下げ「ごめんね?」と小首を傾げる。



「お昼はまた今度。また声かけるから…埋め合わせさせて?」



カァッと顔を真っ赤にした女子たちは、「は、はいっ…」とキャァキャァ言いながら屋上を出て行った。


天王子が絶妙な立ち位置にいたせいで、どうやら私の存在には気がつかなかったようだ。




水川が呆れたように横目で天王子を見る。




「は。ぜってー声とかかけねーくせに…」



「うっせーよ」




天王子が僅かに体をずらす。そこでようやく、水川が私の存在に気付いた。




「あれっ?一花ちゃん?」



「ど、どーも」




ペコッと頭を下げると、水川もペコッと軽く頭を下げて




「おい玲勘弁しろよ〜!人には女帰らせといて自分は女連れかよ」



「あ?いいだろ別に。つかコイツ女じゃねーし、俺の下僕みたいなもんだから」




げっ…げぼ、下僕ぅ!?!?