「おし、じゃーそろそろ行くか」
二人とも食事を終え一息ついた頃、天王子が立ち上がりながらそう言った。
「え、まだどっか行くの?」
「当たり前だろ。まだ3時前だぞ」
「えぇ~…どこ行くの」
「服屋」
「またぁ!?」
―――てっきりまたメンズ向けの服屋さんに行くと思っていたのに。
「えっ…ここ…女物だけど…」
「知ってる」
天王子に連れてこられたのは、若い女子向けの服屋さんだった。
店内には女子ばかり。男子なんて、天王子以外一人もいない。
ま、まさか天王子…!
「女装趣味とかあったんだ…」
「…シバくぞ」
天王子が氷点下の瞳で私を射抜いた。
「えっ違うの!?」
「当たり前だろアホか」
「じゃぁ何でこんなとこ」
「お前の服買いに来たに決まってんだろ?」
私の服を…買いに来た!?



