「あんた、もうっ…ほんとやだ!」
顔が熱くなっていることを悟られたくなくて、顔を背けてメロンソーダを一気飲みする。
不覚不覚不覚!こんな奴にドキドキするなんて!
だけど、天王子には全部お見通しらしく。
「あれ?なんか顔が赤いような気がするけど?」
楽しそうに私の顔を覗き込もうとする。
「気のせいですっ!!」
「嘘つくんじゃねーよ」
天王子が頬杖をついて私を見る。
なぜかそんな姿さえサマになって見えてしまうから不思議だ。
「もしかしてお前俺に惚れちゃった?」
「は、ぁぁぁ!?そんなわけないでしょ!?!?」
「へー初耳。俺に惚れない女なんてこの世に存在するんだ」
「あんたね…」
呆れてモノも言えないとはこのことだ。
たしかにこいつは見た目が抜群に良い。モデルだし。
テストじゃ一年の時からずっと学年一位だって聞くし。
スポーツだって何をやらせたって出来るらしい。
だけど。
「どうやったらそこまで自分に自信持てんの」
「自信とかじゃねーよ。俺は事実を言ってるだけだ」
「あっそ…」
コップに残った氷が、パキッと溶ける音がした。



