愛されプリンス½





「お前みたいな女でも、今の俺には一応唯一の希望の光だ。
そう簡単にお前が迫害されるようなことはしねーよ、安心しろ」


人混みの中、天王子に引っ張られて歩く。



…そうだ。こいつは自分のために私と一緒にいる。

女アレルギーという唯一の弱点を克服するため私と一緒にいるだけだ。



だから



“だって俺が守ってやるし”



あんなセリフにっ…簡単にドキッとしてんじゃないよ私!!!



「おい、何変な顔してんだ?さっさと歩けノロマ」


ちょっと首を横に傾けて振り向いた天王子がそんな暴言を吐く。



そう…コイツはこういう奴。


仮にも女子に向かって“変な顔”だとか“ブス”だとか、そういう暴言ばっか吐く最っっ低の奴なんだから!!


絶対ときめいたりなんかしない!!!



「絶対しないからっ!!」


「はぁ?何がだよ」



私の宣言に、再度振り向いた天王子が怪訝な顔をする。




「こっちの話!!」