「お前みたいな女でも、今の俺には一応唯一の希望の光だ。
そう簡単にお前が迫害されるようなことはしねーよ、安心しろ」
人混みの中、天王子に引っ張られて歩く。
…そうだ。こいつは自分のために私と一緒にいる。
女アレルギーという唯一の弱点を克服するため私と一緒にいるだけだ。
だから
“だって俺が守ってやるし”
あんなセリフにっ…簡単にドキッとしてんじゃないよ私!!!
「おい、何変な顔してんだ?さっさと歩けノロマ」
ちょっと首を横に傾けて振り向いた天王子がそんな暴言を吐く。
そう…コイツはこういう奴。
仮にも女子に向かって“変な顔”だとか“ブス”だとか、そういう暴言ばっか吐く最っっ低の奴なんだから!!
絶対ときめいたりなんかしない!!!
「絶対しないからっ!!」
「はぁ?何がだよ」
私の宣言に、再度振り向いた天王子が怪訝な顔をする。
「こっちの話!!」



