愛されプリンス½





「お探しの物があればお手伝い致しますが…」


「はい、ありがとうございます。実は春物のトップスを探してまして…」



すると、すぐ隣からどうにも聞き覚えのある感じの良い声が聞こえた。


まさか…



「でしたら、私のオススメを何点か紹介させて頂いてもよろしいですか?」


「ぜひお願いします!助かります」



ニッコリ猫かぶり☆笑顔を浮かべた天王子に目をハートマークにしている店員さん。


ああ、犠牲者がまた一人…!


どうやら学校内や我が家だけに留まらず、プリンスの猫かぶりは万国共通らしい。


「ではどうぞこちらへ!」


「はい、行こう村田さん」



店員さんの後に続き、天王子が私の手を引いて歩き出す。


繋いだ手に気付いた店員さんの眉が微かに寄った。



ちょっ…絶対誤解されてるじゃんこれ…!




それから天王子のめくるめくファッションショーが始まった。


何着も試着するものの、微妙な表情の天王子。


試着する度、目をハートマークにしている店員さん。




「どれもお似合いですっ♡」


ハートマーク飛ばしまくりの店員さんに曖昧に微笑んだ天王子が、「村田さんはどう思う?」と私に視線を向けた。