「…痛って、人の背中に頭突きしてんじゃねーよ」
自分が急に立ち止まったせいだというのに、不機嫌そうにギロリと私を睨む理不尽プリンス。
「あんたがっ…」
「ここ入るぞ、さっさと来い」
文句を言う暇すら与えられず、何やらオシャレ風の店に引っ張り込まれた。
引っ張り込まれたのは、どうやらメンズ向けの服屋さんらしい。店の中央には、オシャレなメンズ服をオシャレに着こなしている二体のマネキン。
「服欲しいの?」
「は?欲しくなかったら何でわざわざこんな所来んだよ、アホか」
こいつは暴言しか吐けないのか!?
「ちょっと!いつもいつも思うんだけど、その人を見下したような言い方ほんとどうかと思うよ!」
「は?うっせーな、見下してんだから仕方ねぇだろ」
「は!?」
「だってお前村人Eだし」
「あのねっ…!」
「いらっしゃいませ」
私たちの言い争いを遮るように、店の奥から店員さんが近づいてきた。
上品でオシャレな女の人だ。
まさか今の言い争い聞かれた…!?
なんとなく身を縮こませる私とは対照的に、背筋をピンと伸ばした彼女は品の良い笑みを浮かべたまま近づいてくる。



