「…おまえ今チョロいって思っただろ」


「え!!!」



焼きそばパンをくわえたまま私を睨みつけてくる天王子。エスパー!?



「言っとくけどお前が考えてることとか大体分かるから。顔に出てるし」


「そうなの!?」



…なんか悔しいそれ。まるで私が天王子の手の平で転がされてるみたいじゃん。



「わっ私だって、天王子の考えてることなんて大体お見通しだし!」



「…ふーん?」



悔しくて言い返すと、天王子にパシッと手首をとられた。



そのままグイッと引き寄せられて、気付いたら天王子の膝の上…



「!?」


「お見通しなんだろ?」




すぐ目の前の天王子が、試すような笑みを浮かべて私を覗き込んでくる。




「じゃー当ててみろよ。今俺が考えてること」


「…っ」




ていうか近い!


胸を押して立ちあがろうとするけど、もう片方の手首もつかまえられて、身動きがとれない。


楽しそうに黙り込む私を観察してる天王子。…吐息がかかりそうな距離。顔に熱が集まってくる。




あー…もう!




「わっ…私のお弁当早く食べたいな♪とか!?」




うわ、ありえねー。なんて即答されてすぐに開放される算段だったのに




「………」




なぜか今度は、天王子が黙りこくってしまった。